[BlueSky:06945] 本のご紹介:アレックス・カー『ニッポン景観論』

Takeshi SUKA sayasuka_380878 @ kce.biglobe.ne.jp
2014年 10月 11日 (土) 13:02:06 JST


青空メーリングリストのみなさま

アレックス・カー『ニッポン景観論』
 2014年 集英社新書ビジュアル版

という本を読みました。たくさんのカラー写真と諧謔にみちた表現で、
日本のかつての美しい景観を台無しにしてきた電線・看板・公共建造物
・町並み・ブルーシートなどをこれでもかこれでもかと皮肉った楽しい
本です。子どものころからの長年の胸のもやもやを見事すぎるやり方で
代弁していただいたように思いました。と同時に、ぐうの音も出ない、
というような気持にもさせられました。著者の師匠は、白洲正子さん
だそうです。著者が取り組んでこられた古民家の再生は、多くのひとに
希望をあたえてくれるのではないでしょうか。まさに、希望の書です。

印象に残った個所を、3つご紹介します。

“日本の地方の競争相手は、国内の観光地ではなく世界なのです。”

“地方や田舎の場合は「奇抜なものを作ることが地域発展につながる」
と、今でもまだ信じられているのです。”

“例えばパリでは、ルーブル美術館やノートルダム寺院は一度行けば
満足してしまいますが、名もない街の裏通りは、何度歩いても飽きま
せんし、記憶にずっと残ります。”

        須賀 丈




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